夏目星澄は、霧島冬真の態度が急激に変わったことに驚いていた。
彼女は、もう一方の手を上げ、心配そうな表情で彼の額に触れた。「どうしたの?熱でもあるの?」
霧島冬真は彼女の手を取り、手のひらで優しく握りしめた。「大丈夫、熱もないし戯言も言っていない。本気だよ。」
夏目星澄は信じられない様子で「どうして?」と尋ねた。
霧島冬真は眉を少し上げ、当然のように言った。「君は僕の妻だからさ。僕は君をいじめることはできるけど、他人にはそれは許さない。」
夏目星澄は心温まる言葉が聞けると思っていた。
何も言わない方がましだった。
夏目星澄は霧島冬真の手から両手を引き抜き、口を尖らせて不満そうに言った。「やっと私をいじめていたことを認めたわね。今すぐおばあちゃんに告げ口してやる。どんな目に遭わされるか見てなさい!」