第56章 親友のために立ち上がる

林田瑶子は夏目星澄の携帯電話のパスワードを知っていたので、重要な用件があるかもしれないと心配して開いて確認してみた。

見知らぬ番号から送られてきた写真だった。

梁川千瑠と霧島冬真がホテルに出入りする写真で、その怪しげな様子といったら、二人が潔白だなんて誰も信じないだろう!

林田瑶子は怒り心頭だった。霧島冬真が本当に夏目星澄と離婚したいのなら、少なくともきちんと別れるべきで、してはいけないことは絶対にしないはずだと思っていた。

まさか彼がこんなに厚かましく、梁川千瑠とホテルまで行っていたなんて!

しかもこの写真を送ってきたのは、明らかに夏目星澄を刺激するためだった。

その意図の悪質さは明白だった。

林田瑶子は目が赤くなるほど怒っていた。

彼女はもともと気が短い性格で、かなりお酒も飲んでいたため、この状態では殺意すら湧いてきそうだった。