林田瑶子は夏目星澄の携帯電話のパスワードを知っていたので、重要な用件があるかもしれないと心配して開いて確認してみた。
見知らぬ番号から送られてきた写真だった。
梁川千瑠と霧島冬真がホテルに出入りする写真で、その怪しげな様子といったら、二人が潔白だなんて誰も信じないだろう!
林田瑶子は怒り心頭だった。霧島冬真が本当に夏目星澄と離婚したいのなら、少なくともきちんと別れるべきで、してはいけないことは絶対にしないはずだと思っていた。
まさか彼がこんなに厚かましく、梁川千瑠とホテルまで行っていたなんて!
しかもこの写真を送ってきたのは、明らかに夏目星澄を刺激するためだった。
その意図の悪質さは明白だった。
林田瑶子は目が赤くなるほど怒っていた。
彼女はもともと気が短い性格で、かなりお酒も飲んでいたため、この状態では殺意すら湧いてきそうだった。
「あのクソ男女、今から命をもらってやる!」
林田瑶子は夏目星澄の携帯を持って、激しい勢いで上階の霧島冬真のいる個室へ向かった。
彼女の様子がおかしいことに気づいた人が、何か起きるのを心配して後を追った。
霧島冬真のいる個室も賑やかで、お酒が進むにつれて、みんなゲームを始めていた。
真実か挑戦かゲーム。
このようなゲームは、霧島冬真にとっては興味のないものだった。
しかし他の人たちは熱中していた。
霧島冬真を仲間外れにしたくない人たちが、一緒に遊ぶよう促した。
霧島冬真はみんなが楽しそうなのを見て、何回か付き合ってプレイした。
ずっと負けなかった。
最後の一回で運悪く負けてしまい、罰ゲームは挑戦だった。
その時、ある女性が突然大胆な要求をし、その場にいる異性の一人と杯を交わして飲むよう提案した。
霧島冬真は端正な眉を少し上げた。
実は他の女性と親密になりすぎるのは避けたかった。
しかし断れば、スポーツマンシップに欠けるように見えてしまう。
そのとき、梁川千瑠が突然お酒を手に取り、照れた表情で霧島冬真に近づき、甘い声で言った。「冬真さん、私と杯を交わしましょう」
ここにいる人たちは、みな多かれ少なかれ霧島冬真と梁川千瑠の関係を知っていた。
みんな興味津々で見ていた。
さらには「飲め、飲め!」とはやし立てる声まで上がった。