第69章 霧島冬真の服を探しに

霧島冬真は何も言わずに背を向けて立ち去った。

林田真澄も諦めて、林田瑶子の入院費を支払い、後に続いて去っていった。

林田瑶子は梁川千瑠に対して怒りの言葉を投げかけ続けていた。

傷口が痛むまで止まなかった。

夏目星澄は林田瑶子と一日病院で過ごした。

特に問題がないことを確認し、翌日退院した。

退院はしたものの、まだ数日は自宅で静養する必要があった。

夏目星澄は新曲のプロモーションで忙しく、朝早くから夜遅くまで働いていた。

家に帰っても新曲のことを考えていた。

芦原雅子は、今彼女の曲は市場の反応が良いが、一曲だけでは全く足りないと言った。

短期間で新しい曲を作ってほしいと望んでいた。

夏目星澄はペンを取って作曲を始め、考えを巡らせていた。

突然、机の上に置いてある電話が鳴った。