夏目星澄は頭がぼんやりしていた。
どういう状況だろう。
なぜ裸で寝ていたのだろう?
それに、体中に点々と赤い跡があるのは一体どうしたことだろう。痛くて痒い。
もしかして、長い間誰も住んでいなかった部屋で、不潔で虫がわいて、刺されたのだろうか?
夏目星澄は考えれば考えるほど気持ち悪くなり、すぐにベッドから飛び出して、浴室に駆け込んだ。
全身を隅々まで洗い流した。
そして服を着替えて出てきて、ネットで清掃業者を予約し、別荘を隅々まで掃除してもらうつもりだった。
全て準備を整えて階下に降りたとき、ソファーに二人の男性が座っているのに気づいた。
一人は霧島冬真で、もう一人は彼の秘書の大谷希真だった。
二人は仕事の話をしているようだった。
夏目星澄はそこで思い出した。昨日、霧島冬真がここで寝ていたことを。