第116章 犯人を見つけた

花井風真は夏目星澄に誤解されることを恐れ、急いで説明した。「星澄、彼女の言うことを信じないで。私と彼女は何の関係もないし、結婚の話なんてまったくの嘘だよ。本当だから、信じてくれ!」

彼は既に家族に早川晴乃とは絶対に一緒になれないし、結婚もありえないと明確に伝えていた。

しかし、彼らは最初はちゃんと約束していたのに、なぜか突然態度を変え、早川家との縁組みを承諾してしまった。

花井風真はそれを知った後、強く反対し、自分の結婚は自分で決めると言った。

しかし、彼の父親が全く気にかけていないどころか、密かに結婚の話を進めていることも知らなかった。

早川晴乃は花井風真の手をしっかりと掴んで、「風真さん、あの女のことなんか気にしないで。あの女は私の従兄に捨てられた下賤な女よ。あなたと友達になる資格すらないわ!」

夏目星澄は花井風真と早川晴乃がどんな関係であろうと全く気にしていなかった。

なぜなら、それは彼女とは何の関係もないことだから。

夏目星澄は冷笑いを浮かべながら言った。「私がどんな人間かはあなたには関係ないわ。言葉に気をつけた方がいいわよ。もし二度と不適切な発言を聞いたら、会うたびに殴るわよ!」

そして花井風真を一瞥して、「用事があるので、先に失礼します」と言った。

「星澄...」花井風真は追いかけようとした。

彼女は誤解している、きっと誤解しているに違いない!

しかし早川晴乃が花井風真を追いかけさせるはずがなく、彼の袖をしっかりと掴んで嘆いた。「風真さん、見てでしょう?私が嘘をついていなかったでしょう。夏目星澄はついに本性を現したわ。彼女はそういう悪い女なの。表と裏で態度を変える人で、私の従兄も騙したし、私の祖父母も騙したのよ!」

早川晴乃は家族の中で一番若い世代の唯一の女の子で、早川家で得られなかった愛情を霧島家で全て得ていた。

祖父母も彼女を特別に可愛がっていた。

しかし夏目星澄が来てから。

彼らは彼女が分別がないと言い、いつも夏目星澄に嫌がらせをしていると思っていた。

そういうことが重なって、徐々に祖父母との関係も冷めていった。

夏目星澄が霧島家を去った後でさえ、二人の老人を訪ねても、以前のような温かさはなくなっていた。

これは全て夏目星澄というあの賤女のせいだ!