第123章 遠慮なく話してください

梁川千瑠は顔色を失い、「違います、冬真さん、私はあなたの家庭のことに口を出すつもりはありませんでした。ただ...」

「我が霧島家のことは、考えることさえ許さない」霧島冬真は最後の警告を発した。

梁川千瑠は唇を噛み、清純で愛らしい顔に委屈の色が浮かんだ。

彼女は霧島冬真が自分を気の毒に思ってくれると思っていた。

しかし、彼は全く動じなかった。

最後には声を詰まらせながら、小さな声で謝った。「申し訳ありません、冬真さん。私が悪かったです」

霧島冬真は梁川千瑠を無視し、霧島雪栄の方を向いた。「他に何か問題でも?」

霧島雪栄は幼い頃から霧島冬真と親しくなかった。

この甥と話すたびに、なぜか恐怖を感じていた。

しかし、娘の将来の幸せのために、彼女は勇気を振り絞って言った。「冬真、晴乃はあなたの従妹よ。私はただ彼女を立派に花井家に嫁がせたいだけなの。こんな小さな願いも叶えられないの?」

霧島冬真は表情を変えず、ゆっくりと言った。「花井風真は早川晴乃のことなど全く好いていない。どこに体面があるというのだ」

夏目星澄のあの小さな頭の中で何を考えているのか分からない。

花井風真と早川晴乃の関係がもつれているのを知っているのに、まだ彼と一緒になりたがっている。

まさに自虐行為だ!

霧島雪栄はすぐに反論した。「あなたがどうして風真が晴乃のことを好きじゃないって分かるの?それに感情は徐々に育むものでしょう。三年前、あなたのお父さんが夏目星澄との結婚を許さなかった時も、結局は霧島家に迎え入れたじゃない」

当時もし夏目星澄というあの小娘が自分の計画を台無しにして、霧島冬真のベッドに潜り込まなければ。

今頃、早川家でこんなに苦労することもなかったはず。

早川家での地位を確保するために、霧島家のコネを使って花井家と接触する必要もなかった。

花井家の帰国したばかりの次男と自分の娘を見合いさせることもなかった。

すべてが順調に進むかと思われた矢先。

まさか最後に霧島冬真によって台無しにされるとは思わなかった。

霧島冬真の目に冷たい光が宿った。「彼に私のことを決める権限があると思うのか?」

その言外の意味は、この家では彼の言うことが絶対だということだ。