第122章 私は霧島グループの社長だからだ

霧島冬真は軽く笑って、「花井風真が外でどれだけ乱れた事をしているか、本人が一番よく分かっているはずです。花井市長が私に聞くより、大切な息子さんに聞いた方がいいでしょう」と言った。

花井剛は即座に眉をひそめ、「そんなはずはない。うちの風真は常に品行方正で、悪い癖など一切ない。それに彼はずっと海外で療養していて、付き合った女性もいない。帰国してすぐに晴乃との見合いをしただけだ」と言った。

霧島峰志も花井風真の人柄について調べており、彼が優秀な人材であることを確認していた。

そのため、霧島冬真が突然そのように言ったことに疑問を感じ、「冬真、はっきり説明してくれ。一体どういうことなんだ」と尋ねた。

早川晴乃は事情を知っているかのように、すぐに花井風真を弁護して「風真さんが悪いわけじゃありません。あの女が厚かましくて、ずっと風真さんに付きまとっているだけです!従兄が誤解しているだけです」と言った。

それを聞いた花井剛は焦って「どの女だ?晴乃、教えてくれ。私が調べさせよう」と追及した。

「それは夏...」早川晴乃が歯ぎしりしながら夏目星澄の名前を言おうとした時、横から霧島冬真の冷たい視線を感じた。

彼女は思わず身を縮め、結局言い出せず、唇を噛みながら、無邪気で悲しそうに「私も彼女の名前は知りません。数回見かけただけですが、風真さんはいつも断っていました」と言った。

「花井伯父さん、私の言うことは全部本当です。私と風真さんこそが真実の愛で、私は風真さん以外の人とは結婚できません」

花井剛は頷いて、「晴乃がそう言うなら、先ほどの霧島社長の発言は誤解だったのだろう」と言った。

「それに、二人の結婚の件は、やはり両親が決めることだ。霧島社長は見物人として見ているだけでいい」

「花井市長のおっしゃる通りです。私は単なる見物人です。ただし、早川晴乃は早川姓ですが、彼女の血には半分霧島家の血が流れています。霧島グループにも彼女の株式があります。だから誰と結婚しようと、私は彼女名義の株式を回収します」

この発言で、応接室は再び不気味な静けさに包まれた。

霧島冬真は政界に興味はなかったが、多くの話は耳にしていた。

花井剛は市長の座に満足せず、議員になりたがっていた。

しかし議員選に立候補するには、裏での資金が必要不可欠だった。