夜。
夏目星澄は特に何も準備せず、カジュアルな服装のまま外出した。
しかし、数歩も歩かないうちに、突然走り出てきた小さな男の子が持っていたチョコレートアイスクリームで服を汚されてしまった。
男の子の母親は状況を見て、何度も謝罪し、クリーニング代を支払うと申し出た。
夏目星澄は大丈夫だと言い、お金も受け取らなかった。
結局、男の子も故意ではなかったのだから。
しかし、今彼女が持っているのはこの服だけで、他の服は全て洗濯中で、早くても明日にならないと乾かない。
裸で行くわけにもいかないし...
志田十月が夏目星澄を訪ねてきた時、ちょうどこの場面を目撃した。
今から服を買いに行くのは間に合わない。
「星澄さん、よければ私の服を着てみませんか。」
夏目星澄は志田十月の部屋についていった。