第230章 夏目星澄の心が乱れた

夏目星澄は彼を無視しようとした。

しかし、霧島冬真は彼女を抱き上げた。

夏目星澄は怒って彼の胸を二回叩いた。「降ろして、自分で歩けるわ」

霧島冬真は平然と言った。「ダメだ。もし足が再び攣って、痛くて立てなくなって転んだらどうする?私は子供を危険にさらすわけにはいかない」

こうして夏目星澄はベッドまで抱かれて戻された。

そして、傍らの毛布を引っ張って彼女にかけ、先ほど飲み残したジュースを彼女の口元に持っていった。「フレッシュジュースだ、飲んでみて」

夏目星澄は少し困った様子で「私は妊娠してるだけで、麻痺してるわけじゃないわ。自分で動けるし、歩けるの。何でも手伝わなくていいのよ」

ジュースを飲むのも口元まで運んでくる。このままだと、食事の時も霧島冬真が一口一口食べさせようとするんじゃないの?