第231章 霧島お爺様の願い

いわゆる梁川お爺様とは梁川千瑠の祖父である梁川晨吾で、霧島冬真の祖父である霧島盛一との間に長年の革命友情を持つ戦友だった。

両家の関係は約50年近く続いていた。

幼い頃から婚約まで決めていたほどだった。

ただ残念なことに、生まれてきた子供たちが全て男の子だったため、その話は立ち消えになってしまった。

梁川お爺様は10年前から病気で、ずっと病院で療養していた。

今では病状が悪化し、もう油尽きかけた灯火のような状態だった。

そして彼が最も心配していたのは、家族で唯一の子供である梁川千瑠のことだった。

元々、梁川千瑠のことについては何も知らなかった。

田中文乃が梁川英夫の反対を押し切って勝手に病院に行き、梁川千瑠が拘置所に入れられたことを梁川お爺様に告げたのだった。

梁川お爺様は怒りのあまり気を失い、やっと救命されたあと、すぐに霧島家に連絡を取った。