第232章 私はあなたの考えを尊重します

夏目星澄は霧島冬真の意見を知りたかった。

もしこれが彼の考えで、ただ霧島お爺様に言わせただけなら、彼女も何も言うことはない。

そもそも梁川千瑠を刑務所に入れると言い出したのは彼なのだから。

もし彼が考えを変えたいなら、彼女が反対しても止めることはできない。

ところが霧島お爺様は突然冷ややかに鼻を鳴らし、「あの愚か者め、人情が分からん。どう言っても同意しないから、お前に頼むしかないんだ」

夏目星澄の心が突然震えた。霧島冬真がお爺様の言葉さえ聞き入れないとは思わなかった。

「私...」彼女が何か言おうとした時。

電話の向こうから急ブレーキの音が聞こえた。

そしてすぐに異音が続いた。

夏目星澄は何か起きたのではないかと心配になった。「もしもし、霧島お爺様、聞こえますか?」

「冬真、何をする!携帯を返せ!」