第285章 梁千瑠が逮捕される

警察は大谷東也をまた一晩中尋問した。

大谷東也は梁川千瑠との関係を認めようとしなかった。

そこで彼らは方向性を変えることにした。

ずっと大谷東也に注目を集中させていたが、すでに死亡している中村輝也のことを見落としていた。

彼は大谷東也と共に夏目星澄と梁川千瑠を誘拐したのだから、何か手がかりがないはずがない。

詳しい調査の結果。

中村輝也と大谷東也は刑務所仲間であり、同郷でもあることが判明した。

中村輝也の口座は出所後、毎月5万円が故郷の青木正志という人物の口座に送金されていた。

この青木正志は中村輝也の小学校の教師で、親戚ではなかった。

なぜこの送金をしていたのかは、青木正志本人に会わなければ分からない。

同時に警察は二人のアパートから12枚の銀行カードを発見した。すべて異なる名義で、各カードには10万円ずつ入金されていた。