霧島冬真は今、心臓が激しく鼓動していた。思わず喉を鳴らし、薄い唇が徐々に夏目星澄の顔に近づいていく。
キスしようとした瞬間、夏目星澄が寝言を言った。「霧島冬真...触らないで...」
霧島冬真の心は一気に底に沈んだ。
彼女は夢の中でさえ、自分を警戒しているのか...
日々思い続けている夏目星澄の顔を見つめながら、結局諦めた。
霧島冬真はゆっくりと起き上がり、引き続き夏目星澄の髪を拭き、最小音量のドライヤーで乾かしてあげた。
長時間かかって疲れ果て眠くなったが、それでも夏目星澄のそばを離れたくなかった。
そのため、シャワーを浴びた後、また夏目星澄のそばに戻り、そっと横たわった。
夏目星澄を抱きしめて眠りたい気持ちはあったが、目覚めた時に怒られるのが怖くて我慢するしかなかった。
それでも、こうして夏目星澄の近くにいられることが嬉しかった。