霧島峰志の言葉が落ちると、全員が一斉に霧島冬真の方を見た。
霧島冬真は相変わらず平然とした様子で、先ほどの影響を受けた様子は全くなかった。
ただ無表情に手を少し上げただけだった。
すぐに彼の後ろに立っていた大谷希真が、既に整理された書類を持って前に出て、出席している全ての株主に配布した。
株主たちは意味が分からず、次々と開いて目を通した。
「皆さんが手にしているのは、霧島グループのここ三年間の財務諸表です。そこには明確に記されていますが、会社の様々な利益に比べれば、今日の株価の損失など取るに足りないものです」
「私がこの地位に就いているのは、単に霧島家の人間だからではなく、会社の利益を最大化する能力があるからです。そして皆さんは会社の株主として、会社設立初期に父親世代がわずかな投資をし、それを相続したことで、資産を急増させただけです」
「これほどの恩恵を受けておきながら、感謝するどころか、私を追い落とそうとするなんて、反逆を企てているのですか!」
霧島冬真の言葉が終わると同時に、テーブルを叩く音が響いた。
全ての株主が霧島冬真の怒りを感じ取り、息をするのも恐ろしく、縮こまって頭を下げていた。
霧島冬真は彼らの反応を見て満足げに口角を上げ、その後冷静な声で言った。「もし私に不満があるなら、はっきり言えばいい。裏で小細工をする必要はありません。かつて霧島グループを吸収しようとした者たちがどうなったか、皆さんもよくご存知でしょう。だから私を警戒するのも理解できます」
「しかし、私霧島冬真は常に事を見て人を見ず、目には目を返す主義です。皆さんが邪な考えを持たず、まともに株主としての役割を果たすなら、栄華富貴に不自由することはありません。分かりましたか!」
最初に口を開いた石田社長は、今や冷や汗を流していた。
特に三年前、霧島冬真が就任した後の雷厲風行な一ヶ月間を思い出すと、まさに無煙の戦争だった。
分別のない輩たちの末路がいかに悲惨だったか。
今でも思い出すと背筋が寒くなる。
霧島冬真は彼をじっと見つめ、「どうしました、石田社長、暑いですか?」
石田社長は霧島冬真の目を見る勇気もなく、作り笑いを浮かべて言った。「はい、私は太っているもので、暑がりなんです、暑がりで」