第301章 私は彼女を追い求めたい

霧島峰志の言葉が落ちると、全員が一斉に霧島冬真の方を見た。

霧島冬真は相変わらず平然とした様子で、先ほどの影響を受けた様子は全くなかった。

ただ無表情に手を少し上げただけだった。

すぐに彼の後ろに立っていた大谷希真が、既に整理された書類を持って前に出て、出席している全ての株主に配布した。

株主たちは意味が分からず、次々と開いて目を通した。

「皆さんが手にしているのは、霧島グループのここ三年間の財務諸表です。そこには明確に記されていますが、会社の様々な利益に比べれば、今日の株価の損失など取るに足りないものです」

「私がこの地位に就いているのは、単に霧島家の人間だからではなく、会社の利益を最大化する能力があるからです。そして皆さんは会社の株主として、会社設立初期に父親世代がわずかな投資をし、それを相続したことで、資産を急増させただけです」

「これほどの恩恵を受けておきながら、感謝するどころか、私を追い落とそうとするなんて、反逆を企てているのですか!」

霧島冬真の言葉が終わると同時に、テーブルを叩く音が響いた。

全ての株主が霧島冬真の怒りを感じ取り、息をするのも恐ろしく、縮こまって頭を下げていた。

霧島冬真は彼らの反応を見て満足げに口角を上げ、その後冷静な声で言った。「もし私に不満があるなら、はっきり言えばいい。裏で小細工をする必要はありません。かつて霧島グループを吸収しようとした者たちがどうなったか、皆さんもよくご存知でしょう。だから私を警戒するのも理解できます」

「しかし、私霧島冬真は常に事を見て人を見ず、目には目を返す主義です。皆さんが邪な考えを持たず、まともに株主としての役割を果たすなら、栄華富貴に不自由することはありません。分かりましたか!」

最初に口を開いた石田社長は、今や冷や汗を流していた。

特に三年前、霧島冬真が就任した後の雷厲風行な一ヶ月間を思い出すと、まさに無煙の戦争だった。

分別のない輩たちの末路がいかに悲惨だったか。

今でも思い出すと背筋が寒くなる。

霧島冬真は彼をじっと見つめ、「どうしました、石田社長、暑いですか?」

石田社長は霧島冬真の目を見る勇気もなく、作り笑いを浮かべて言った。「はい、私は太っているもので、暑がりなんです、暑がりで」