第303章 忘れられない

夏目星澄が着陸すると、すぐに林田瑶子から電話がかかってきた。「星澄、三浦監督の方から空港の出口に迎えの人を派遣したわ。ナンバープレートは後で送るから。まずはゆっくり一日休んで、明日からキャストと一緒に宣伝活動に参加してって言ってたわ」

「外では晓良と一緒に気をつけてね。何かあったらすぐに私に電話して。すぐに飛行機で駆けつけるから!」

夏目星澄は苦笑いしながら、「わかったわよ。私と晓良は気をつけるから。私を子供扱いしないでよ!」

「もう切るわ。荷物を受け取らないと」

彼女が言い終わると、花井風真が二つのスーツケースを持って近づいてきた。「星澄、荷物は持ったから、行こう」

ターミナルを出ると、夏目星澄は入口に停まっている車を見て、迎えの車を見つけた。

そこで後ろにいる花井風真に言った。「迎えの車が見つかったわ。あなたはどこに行くの?道が同じなら一緒に行きましょう」

花井風真は既に夏目星澄の活動場所を調べていて、さりげなく言った。「海浜区付近で会議があるんだ。君は?」

「なんて偶然!私の参加する活動もそこなの。じゃあ一緒に行きましょう。ホテルは予約した?」

「まだだよ。一緒にしないか?忙しい後で、一緒に食べ歩きでもできるし。ここの屋台はすごく美味しいって聞いたよ」

夏目星澄は花井風真の言葉に納得して、「いいわね。じゃあ同じホテルにしましょう」

しかしその夜、三浦和靖から夏目星澄に電話がかかってきた。食事に誘い、ついでに何人かの友人を紹介したいとのことだった。

夏目星澄は断りづらく、承諾するしかなかった。

花井風真はそれを知ると、提案した。「晓良一人で女の子を付き添わせるのは夜は危ないから、僕も一緒に行こう。僕をアシスタントということにして、晓良は外で待っていてもらって、僕が食事会に付き添おう」

夏目星澄は土地勘もなく、もし食事会で飲みすぎた場合、花井風真が一緒なら確かに安全だと考えた。

「うん、お願いします」

レストランに着くと。

三浦和靖は夏目星澄の隣に見知らぬ男性がいるのを見て、興味深そうに尋ねた。「この方は?」

夏目星澄は事前に決めていた通りに説明した。「私のアシスタントです。送ってきてくれたので、一緒に食事させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」