第310章 もう付いて来ないで

夏目星澄は神田晓良がホテルにいるなら、花井風真も一緒にいると思っていたが、まさか彼が外で一晩中自分を探していたとは思わなかった。

つまり、花井風真は彼女がホテルにいることを知らず、霧島冬真が別の場所に連れて行ったと思い込んで、ずっと外で探し続けていたのだ。

そして今の帝都の気温は、朝晩とても低かった。

花井風真は必死で彼女を探すあまり、防寒対策を怠り、体を壊してしまったのだ。

こうなることが分かっていたら、あんなに酒を飲まなければよかった!

神田晓良はすぐに説明した。「昨夜、あなたが霧島社長に連れて行かれた後、風真さんはあなたに何かあったと心配して、あちこち探し回って、帝都のほとんどの五つ星ホテルを探し回ったんです。」

夏目星澄は自分の予想通りだと聞いて、胸が痛んだ。「どうしてこんなに馬鹿なの、自分の体のことも考えないなんて。」