医者が来てから、夏目星澄の感情があまりにも激しすぎて、検査に全く協力的ではなく、鎮静剤を打つしかなかった。
霧島冬真は体を硬くしたまま、そばで見守っていた。
林田瑶子は夏目星澄が目覚めた時にまた刺激を受けることを避けたかったので、霧島冬真に退去を命じた。「もう帰って。星澄は今このような状態で、あなたに会いたくないはずよ」
しかし霧島冬真は一歩も動こうとしなかった。「彼女が目覚めたら帰る」
「でも彼女が目を覚ましてあなたを見たら、もっと興奮してしまうわ。医者も言ってたでしょう、彼女の心臓はこれ以上刺激を受けてはいけないって。帰って、霧島冬真。私に手を出させないで」
林田瑶子は自分が霧島冬真に勝てないことを知っていたが、夏目星澄のためなら命を懸けても戦う覚悟だった。