第321章 私は憎い、霧島冬真!

霧島冬真は目を鋭く光らせ、ある人物のことを思い出した。「忘れないでくれ。梁川家にはまだ一人、海外にいる手強い女がいる」

林田瑶子は考え込むように言った。「梁川千瑠のお婆さんのことですか?」

家族から聞いた話では、梁川永成が亡くなった後、梁川千瑠の祖母の小野芙実は深い悲しみに暮れ、海外に移住して新天地を求めようとしたが、梁川お爺様が反対し、そのため老夫婦は長期別居することになったという。

最後に姿を見せたのは梁川お爺様の葬儀の時だけで、その後すぐに去ってしまった。

その後、梁川家でこれほどの事件が起きても、彼女が戻ってきて面倒を見ることはなかった。

林田瑶子は、梁川千瑠が投獄され、梁川英夫が破産しても、小野芙実は気にも留めないだろうと思っていた。

まさか帰国するなり「大きな一発」を決めるとは。