第334章 寝ていても大人しくない

夕食の後、大谷希真は急いで荷物をまとめて帰っていった。

夏目星澄は伸びをして、少し疲れを感じたので、お風呂に入って早めに寝ようと思った。

霧島冬真は星澄が浴室に入った後、散らばっていた書類を手に取り、仕事を続けた。

夏目星澄が風呂から出てくると、霧島冬真はすでにベッドに横たわっており、彼女のために半分のスペースを空けていた。

「星澄、疲れただろう。早く休もう」

夏目星澄は彼を一瞥したが、何も言わずに別のベッドへ向かった。

冗談じゃない。

意識がはっきりしている状態で、霧島冬真と同じベッドで寝るなんてありえない。

霧島冬真は彼女の態度を見て、突然胸が痛くなった。

入院した時、二人とも意識不明で救急処置を受けていた。

そして目が覚めた時、彼は夏目星澄がまだ目覚めていない間に、医師の反対を押し切って、彼女と同じベッドで寝ることを強く要求したのだ。