霧島冬真の冷たい態度に、夏目星澄は一瞬戸惑った。
しかし、昨夜起きたことを思い出し、できるだけ穏やかな口調で言った。「私がなぜ来てはいけないの?霧島冬真、そんなに私に会いたくないの?」
霧島冬真は確かに、夏目星澄に自分のこんな惨めな姿を見られたくなかった。
「見るものは何もない。帰れ」
しかし、彼が帰って欲しいと思えば思うほど、彼女は留まろうとした。
夏目星澄は直接霧島冬真のベッドの側に行き、近くの椅子を引き寄せて座った。「帰らないわ」
霧島冬真は意図的に冷たい表情で言った。「帰らないって、何がしたいんだ。忘れるな、お前が言ったんだ。俺たちはもう離婚して何の関係もないって。だから何の権利があって残るんだ?」
以前は夏目星澄を自分の側に留めたいと思っていた分、今は彼女に去って欲しいと思っていた。