朝倉茉莉は顔を引きつらせ、夏目星澄がマンゴーにアレルギーがあるとは思いもよらなかった。
しかし、今となってはこの汚名を夏目星澄に着せるしかない。
そうしなければ、彼女は面目を完全に失ってしまう!
「みんな、何をしているんだ?」
朝倉茉莉が説明の言葉を考えている間に、威厳のある声が人々の後ろから聞こえてきた。
皆が振り返ると、花井お爺様が執事と朝倉茉莉の両親を連れて近づいてくるのが見えた。
花井お爺様は今日の誕生祝いの主役であり、自然と皆が道を開けた。
彼は周りを見渡し、最後に朝倉茉莉のドレスに目を止めた。そこに黄色い粘っこいものが付いているのを見て、すぐに眉をひそめた。
「風真、どういうことだ。朝倉さんをしっかり世話するように言っただろう。これがお前の世話の仕方か?」