霧島冬真は今、足を動かすことができないが、もしできたら、目の前のこの死に物狂いの下賤な女を蹴飛ばしていただろう。
「誰か来い!この吐き気がする奴を追い出せ!」
入り口の警備員は病室から霧島の叫び声を聞いて、急いで駆け込んできた。
先ほどまでナース服を着ていた女が、突然セクシーなミニスカートに着替えているのを見て、完全に呆然としてしまった。
一体何が起きているのだろうか?
芦原蘭も、霧島冬真がこれほど激しく反応するとは思っていなかった。自ら身を捧げるのは良いことのはずなのに、なぜ彼は幽霊でも見たかのような反応をするのだろう。
この男はいつも誰でも受け入れ、抱きつく女性が好きなはずではないのか?
なぜ霧島冬真はこんなにも違うのだろう?
霧島冬真は人を殺しそうな程に顔色を暗くして、警備員を睨みつけた。「何をぼんやりしている、この吐き気がする女を追い出せ!」