第394章 モラルハラスメントを受け入れない

霧島冬真は今、足を動かすことができないが、もしできたら、目の前のこの死に物狂いの下賤な女を蹴飛ばしていただろう。

「誰か来い!この吐き気がする奴を追い出せ!」

入り口の警備員は病室から霧島の叫び声を聞いて、急いで駆け込んできた。

先ほどまでナース服を着ていた女が、突然セクシーなミニスカートに着替えているのを見て、完全に呆然としてしまった。

一体何が起きているのだろうか?

芦原蘭も、霧島冬真がこれほど激しく反応するとは思っていなかった。自ら身を捧げるのは良いことのはずなのに、なぜ彼は幽霊でも見たかのような反応をするのだろう。

この男はいつも誰でも受け入れ、抱きつく女性が好きなはずではないのか?

なぜ霧島冬真はこんなにも違うのだろう?

霧島冬真は人を殺しそうな程に顔色を暗くして、警備員を睨みつけた。「何をぼんやりしている、この吐き気がする女を追い出せ!」

警備員はようやく状況を理解し、急いで芦原蘭に近づいた。

しかし芦原蘭は霧島冬真の方に逃げ込み、彼の布団の端を掴んで、千瑠のように可憐な様子を装って言った:

「社長、私は今日、心から謝罪に来たのに、どうして警備員に追い出させるのですか?」

霧島冬真は芦原蘭に吐き気を催すほど嫌悪感を覚え、彼女が触れた布団までも汚らわしく感じた。

彼は布団を一気に払いのけ、芦原蘭に投げつけた。

その時、警備員も機を見て布団で彼女を包み込んだ。

芦原蘭はまだもがいていた。「社長、こんな扱いはやめてください。あなたの心の中で一番大切なのは夏目星澄だと分かっています。でも彼女はもうあなたと離婚したじゃないですか。なぜ一本の花に執着するのですか。私だって素敵な女です。私を見てください、見てくださいよ!」

霧島冬真は芦原蘭を一目見るだけで汚らわしく感じ、彼女が再び飛びかかってくるのを恐れて、ベッドの隅に身を寄せた。

「出て行け、さっさと出て行け!」

霧島冬真は歯ぎしりしながら怒りを露わにした。今度は芦原蘭を刑務所に入れるだけでなく、芦原家全体にも代償を払わせてやる。

こんな恥知らずな娘を育てた彼らは、必ず代償を払わなければならない!

夏目星澄は苦労してショッピングモールで買い物を済ませ、大小の荷物を持って戻ってきた。

廊下に入るなり、男性の怒鳴り声が聞こえてきた。