霧島冬真はベッドに寄りかかり、平然とした表情で問い返した。「なぜ私があなたに遺言を残してはいけないのですか。」
夏目星澄は眉をひそめ、「霧島冬真、私たちは離婚したでしょう。法的には何の関係もないのに、遺言に私の名前があるなんておかしいわ。私にはあなたの遺言を受け取る権利なんてないし、早く撤回するべきよ。」
霧島冬真の遺言で財産の大部分が自分に残されていると聞いた時、本当に驚きを隠せなかった。
花井家の前で自分を守るためだと言われても、自分のものではないものを受け取るわけにはいかなかった。
霧島冬真は真剣な表情で言った。「遺言は既に大谷希真に公証してもらい、変更するつもりはありません。安心してください、あなたに何かを求めるつもりはなく、ただこれらのもので一生あなたを守りたいだけです。」