夏目星澄は看護師に尋ねて、彼がリハビリに行っていることを知った。
そのとき彼女は、どれだけ長い間彼の回復状態を気にかけていなかったかを実感した。
深い自責の念と罪悪感が一気に心に押し寄せた。
夏目星澄はリハビリセンターの場所を尋ね、そこへ向かった。
リハビリセンターには様々なトレーニングをしている人々が大勢いた。
霧島冬真は自分の身分が特別だからといって、それらの人々を追い払うことはしなかった。
むしろ黙々と自分のトレーニングに励んでいた。
彼の足は動くようになっていた。
しかし、明らかに普通の人のように滑らかには歩けなかった。
傍らに医師がいたものの、彼の足はまるで言うことを聞かないかのように、二歩歩くとダメになってしまう。
何度も繰り返し、医師が霧島冬真に休むように勧めても、彼は歯を食いしばって続けていた。
夏目星澄はそれを見て、なぜか胸が痛んだ。
そのとき、大谷希真が突然彼女の後ろに現れ、「夏目さん、霧島社長に会いに来られたのですか?」
「はい、ちょっと用事があって。彼の足はいつから動くようになったんですか?」
「しばらく前からです。あなたがいない間、彼は毎日医師の指示に従い、しっかり休養を取り、治療に協力し、リハビリができるようになってからは毎日来て、一日も早く良くなることを願っていました。」
「どうして私に教えてくれなかったんですか?」
「特に隠していたわけではありません。霧島社長があなたを気遣って、往復の負担で体調を崩すことを心配し、また、お母様のことも気がかりだと分かっていたからです。」
夏目星澄の心は深く揺さぶられた。
大谷希真は続けて言った。「夏目さん、これはあなたと霧島社長の間のことで、私が口を出すべきではないかもしれませんが、もしあなたが本当に霧島社長との関係を断ち切りたいのなら、もう彼を悩ませないでください。」
「実は彼が目覚めて自分の足が不自由になったことを知ったとき、すでにあなたを手放す覚悟をして、自ら連絡を絶とうとしていました。でもあなたが彼を探し続けたことで、また希望を持つようになったのです。」
「夏目さん、あなたは霧島社長に希望を与えたのですから、もう二度と失望させないでください。それは彼にとって死ぬよりも辛いことです。よく考えていただきたいと思います。」