第411章 同じ病院に入院する

霧島冬真の脚はすでにリハビリ訓練の段階に入っていた。

毎日の訓練で心を刺すような痛みがあったが、彼は歯を食いしばって耐え抜いた。

この一ヶ月以上の辛い訓練の結果、彼はもう車椅子を使わなくても良くなった。

原田先生がこの良い知らせを伝えた時、彼は真っ先に夏目星澄に直接伝えたいと思った。

ところが病院に着いたばかりの時、夏目星澄が若い男性と楽しそうに話しながら出てくるのを目にした。

しかもその男性が夏目星澄を見る目は、優しく深い愛情に満ちていた。

それが彼の心を不快にさせた。

すぐに大谷希真にその男の身元を調べさせた。

霧島冬真は車の中に座り、こっそりと二人の後をつけた。

フランス料理店に着くまで、二人は中に入って食事をした。

大谷希真の調査結果が出た。その男は青木智彦といい、夏目星澄の母親の担当医だった。