第407章 ずっと僕のそばにいてくれますか？

松岡静香をなだめた後、夏目星澄も眠る準備をした。

彼女は慎重に松岡静香の側に行き、ベッドに座って彼女にゆっくりと近づいた。目を覚まさせないように気をつけながら。

これは母親と一緒に寝る二晩目だった。

昨日と比べて、今日はより安心できた。常に警戒している必要がなかった。

松岡静香も久しぶりにぐっすりと眠れた。

翌朝目が覚めた時、全体的に顔色がずっと良くなっていた。

夏目星澄は彼女の身の回りの世話をし、食事を作り、すべてを手際よくこなした。

しかし松岡静香の心は複雑な思いでいっぱいだった。

当時妊娠していた時、子供が生まれたら、男の子なら強く自立した子に育てたいと思い、女の子ならお姫様のように育てたいと思っていた。

そして彼女の心の中の「お姫様」は今や寝たきりの患者の世話までこんなに細やかにできるようになっており、これまでの生活が決して楽ではなかったことが分かる。

考えれば考えるほど辛くなり、涙が流れた。

夏目星澄が母親にお粥を食べさせようとした時、彼女が泣いているのを見て、どうしていいか分からなくなった。「どうしたの、お母さん、なぜ泣いているの？どこか具合が悪いの？」

松岡静香は軽く首を振った。「違う...具合は...心配で...あなたが」

夏目星澄は一瞬固まった後、少し笑みを浮かべて言った。「お母さん、私は今とても幸せに暮らしているから、心配することなんてないよ。」

「後で病院に検査に連れて行くから、問題なければ、すぐに手術できるかもしれないよ。」

「その時お母さんの体が良くなったら、一緒に買い物に行ったり、ご飯を食べたり、いろんなことができるようになるよ！」

松岡静香は涙を拭いて笑顔になった。「うん、うん...」

彼女がここまで必死に生きてきたのは、まさにこの日のためだった。

食事を終えると、夏目星澄は車で松岡静香を潮見市で一番良い整形外科病院に連れて行ったが、突然の来院で事前予約もなかったため、専門医の診察は受けられなかった。

夏目星澄は考えた末、林田瑶子に電話をかけた。「瑶子、私よ。今話せる？」

林田瑶子は東條煌真が差し出したフルーツを食べながら、気さくに答えた。「もちろん話せるわよ。何かあったの？」