第408章 脅すのは誰でもできる

霧島冬真は夏目星澄に断られ、胸が締め付けられた。「でも、リハビリが終わるまで一緒にいてくれると約束したじゃないか」

夏目星澄は少し躊躇した後、本当のことを話した。「確かに約束したけど、今は特別な事情があって。お母さんを連れて帰ってきたの。体調が良くなくて、近いうちに手術が必要なの。そばで看病しないといけないの」

霧島冬真は夏目星澄がようやく肉親を見つけたことを知っており、母親のことを心配するのも理解できた。

「おばさんの病気は深刻なの?私から誰かに診てもらうように手配しようか?」

霧島冬真は今の体調が良くなければ、自ら行って手配するところだった。そうすれば「義理の母」に良い印象を与えられたかもしれない。

しかし夏目星澄は今、母親に霧島冬真のことを知られたくなかった。