第409章 二重の喜び

夏目星澄は母親の看病をしながら、霧島冬真の見舞いにも行っていた。

一週間以上も両方を行き来していた。

人はすでに疲れて痩せていた。

松岡静香は夏目星澄が仕事で忙しいと思い、毎日来なくても看護師がいるから大丈夫だと心配して言った。

しかし夏目星澄は、やっと見つけた実の母親だから毎日会いたいと思っていた。

一方、霧島冬真の方も気がかりで、彼は言うことを聞かない人だった。

彼女がいる時はまだ良かった。何をさせても従うが、彼女がいない時は誰が何を言っても聞かず、検査もせず、薬も時間通りに飲まず、まるで拗ねた子供のようだった。

だから彼女は自分が少し疲れても構わないと思っていた。

霧島冬真も同様に夏目星澄を心配していて、彼女が再び病室に現れた時、名残惜しかったが、「この数日間で疲れて痩せたようだね。僕の方は大丈夫だから、まずは母親の看病に専念して、手術が終わってから来てくれればいい」と言った。