霧島冬真も後ろの音を聞いて、振り返った瞬間、バイクが突っ込んできていた。
彼は急いで夏目星澄の手を引いて外へ逃げ出した。
しかし、二人ではバイクの速さには及ばなかった。
衝突寸前、霧島冬真は避けられないと悟り、夏目星澄を突き飛ばして彼女の安全を確保しようとした。
だが夏目星澄に強く引き止められ、「だめ、冬真、そんなことしないで」
彼は既に彼女を救うために一度死にかけていた。
今度は絶対に事故に遭わせるわけにはいかない!
夏目星澄は逆に霧島冬真を突き飛ばした。
これは霧島冬真が予想していなかったことだった。
しかし気付いた時には既に遅かった。
「星澄、やめろ!」
この光景を目にした人々は皆、思わず息を呑んだ。
女性ファンたちも驚愕して口を押さえた。
彼女たちは夏目星澄が嫌いで、浩真さんに謝罪させ、芸能界から追放したかっただけだった。