第437章 証拠は確実

夏目星澄が話し終わると、中村英二もマイクに向かって言った。「皆さん、こんにちは。私は中村英二です。映画『三世の縁』の監督を務めております。現在ネット上で広がっている私と夏目さんの間のあらゆる噂は全て事実無根です。我々は既に証拠を掴んでおり、記者会見後直ちに我々を誹謗中傷した者を提訴いたします。」

この発言を受けて、記者たちの間で議論が沸き起こった。

彼らは競い合うように質問を投げかけ、それぞれが必死に声を張り上げ、会場は何を言っているのか聞き取れないほどの騒がしさとなった。

この世の中、記者会見は増える一方で、芸能人たちは自分のスキャンダルに対してそれぞれ言い訳を持っている。本当のことなんて誰にもわからない。

しかし記者たちにとって、最も関心があるのはどの話題がニュース価値があるかということだった。

ある記者が直接疑問を投げかけた。「でも、ネット上では夏目さんとあなたが同じホテルの同じ部屋に続けて入っていく様子が撮影されていますが、これも偽物なんですか？」

「それに中村監督、あなたの映画は今まで業界の有名俳優を起用してきましたが、なぜ今回このような大作で夏目星澄を主演に選んだのですか？以前共演した女優賞受賞者まで脇役にしているのに。彼女の演技力はそんなに素晴らしいのでしょうか？それとも他の面で彼女の能力があなたの気に入ったのでしょうか？」

中村監督はその男性記者が意図的に曖昧な言い方をしているのを見て、即座に表情を曇らせた。「まず、この映画で誰を主演にするかは、監督である私の権利です。そして夏目さんの演技は、確かに私が思い描いていた主人公像に合致していました。後ほど夏目さんのオーディション映像をネット上で公開し、皆様にご判断いただきます。」

「次に、西原妙子が女優賞受賞者であることは間違いありませんが、だからといって必ずしも私の映画の主演でなければならないということではありません。演技において、主役も脇役もありません。自分の演技を適切に表現できれば、それぞれが主役なのです。」

「そして最も重要なことは、ネット上で見られた夏目さんと私が同じ部屋に続けて入ったという件については、これは事実です。」

記者たちは中村英二が直接認めたことに驚愕した。