夏目星澄は彼の背中にもたれかかり、囁いた。「お腹すいた...火鍋が食べたいな...」
霧島冬真は優しく笑って言った。「お腹が空いたの?大丈夫、何が食べたい?」
夏目星澄は夜食を食べる習慣はなかったが、妊娠のせいか、胃の中が空っぽな感じがして仕方なかった。「火鍋が食べたいの」
「いいよ、届けてもらおう」霧島冬真は体を起こし、傍らの携帯を手に取り、火鍋店を検索し始めた。
夏目星澄の体調を考慮して、特に白湯スープを指定し、調味料もオリジナル味にした。
夜の12時、火鍋が届いた。
夏目星澄は白湯スープを見て、少し残念そうだった。「どうして麻辣鍋を頼んでくれなかったの?」
霧島冬真は包装を開けながら説明した。「今のあなたの体調では辛すぎるものは食べられないから、白湯で我慢してね」
夏目星澄もそれはもっともだと思い、それ以上何も言わなかった。