第494章 待ちきれない

夏目星澄と霧島冬真は、ふゆちゃんと両親を夜のうちに見送った。

ふゆちゃんのことを心配していたが、高梨菜々に見つからないよう、連絡先は残さないことにした。

ふゆちゃんの両親も、帰ったら引っ越すことを決めた。誰も知らない場所へ。

彼らの人生の願いは、自分たちの子供を持ち、幸せに育てることだった。

今日の高梨菜々の件で、子供により安全な環境を与えなければならないと気付いた。

高梨菜々は明らかに狂っていた。警察に捕まったとはいえ、刑務所にいても一生そこにいるわけではない。事前に対策を立てる必要があった。

だから今回の別れは、誰にも告げずに。

ふゆちゃんたちを見送った後、霧島冬真は夏目星澄を家に連れて帰った。

一日中忙しく動き回って疲れ果てた星澄は、帰宅するとすぐにベッドに横たわり、夕食も食べずに寝てしまった。