夏目星澄は話している二人が霧島雪栄と早川晴乃だと気づき、ベッドサイドの明かりをつけた。冷たい瞳に一瞬冷光が走った。「あなたたち、どうして私の部屋にいるの?何をするつもり?」
彼女は反射的にお腹を守った。母娘が自分を傷つけようとするのではないかと恐れていた。
なぜなら、霧島雪栄の手にはハサミが握られていたから。
霧島雪栄は一瞬慌てた表情を見せ、ハサミを脇に置いた。「星澄、何もするつもりはないの。誤解しないで。」
夏目星澄は冷笑した。「ハサミを持って私の部屋に現れて、誤解するなって?そんなことできるわけないでしょう?」
霧島雪栄は必死に説明した。「本当に誤解なの。実は謝りに来たの。お願い、冬真を止めて。あなたの仇を討つために、この一年以上も私たちを追い詰めて、早川家はもう破産寸前なの。もう資金がなければ、私たち家族は路頭に迷ってしまう。」