写真の他に、大谷希真はもう一つの情報を持ってきた。「調べたところ、早川悠真は旧正月の後、頻繁に外国人と接触していました。その外国人は、海外のオークションハウスの従業員です」
「そのオークションハウスでは、ちょうどヒスイ観音の査定が行われていて、順調にいけば今夜にも競売にかけられ、落札金は大谷美咲の口座に振り込まれる予定です。これがオークションハウスにあるヒスイ観音の写真です」
夏目星澄は一目でその写真のヒスイ観音が祖母から贈られた新年の贈り物だと分かった。「私のヒスイ観音がどうしてオークションハウスに?」
霧島冬真は顔を曇らせて言った。「火事の時に霧島雪栄があなたが転んだ隙にヒスイ観音を盗み、国内では売れないから早川悠真に頼んで海外で売らせたんだ」
「今、外国人は東洋の品に非常に興味を持っている。特にこのような希少なヒスイは、収集価値が極めて高い」