第515章 もう一度試す

霧島冬真はどうしても理解できなかった。同じ霧島家の人間なのに、霧島雪栄がどうしてあんなに愚かなのか、男の甘い言葉を信じてしまうなんて。

だからこそ、これほど長い年月が経っても、彼女の早川家での地位がどんどん低くなっていったのだろう。

緒方家は、霧島家が長年にわたって早川家を陰で支援し、表立っても裏でも多額の資金を提供していなければ。

おそらく早川悠真はとっくに霧島雪栄と離婚していただろう。

実際、霧島冬真はとっくに早川家という重荷に耐えられなくなっていた。

早川グループは、実は10年前にはすでに自力で運営する能力を失っており、霧島家の名声だけで維持され、毎年いくつかの仕事を回してもらっていた。

霧島家の老夫婦は娘を心配し、裏で多額の資金を提供して、彼女が華やかな生活を続けられるようにしていた。