第520章 徹頭徹尾の大詐欺師

霧島雪栄は早川悠真に会えると聞いて、当然のことながら霧島冬真が何を言おうと、彼女はそれに従った。

しかし、彼女は何か不吉な予感を感じていた。

霧島雪栄は目の前の冷たい表情の男を恐怖の眼差しで見つめた。「あなた、私の夫に何かしたんじゃないでしょう？彼をどうしたの？」

霧島冬真は軽蔑して冷たく鼻を鳴らした。「あんな屑に手を下す価値もない。彼に会いたいんだろう？私についてくれば分かるさ」

霧島雪栄は突然恐怖を感じ、霧島冬真と一緒に行くのを躊躇った。

「私...頭が痛いの。もう行かないわ。病気が良くなって退院したら、夫が迎えに来てくれるはず」

そう、早川悠真は彼女を愛していると言っていた。きっと彼女を見捨てたりしないはずだ。

「本当に棺を見るまで信じないタイプだな。俺は余計なことに関わりたくないが、祖母はお前という実の娘を心配している。だから老人に代わって面倒事を片付けてやるしかないな」