第42章 盗作疑惑を晴らす方法

桜井美月は悲しそうな表情を浮かべながら、似たような二つの原稿を見せた。

「これは6年前の芸大卒業生のデザイン作品で、小山千恵子がオークションで売り出したウェディングドレスと酷似しています。この作品の指導教官も確認済みです」

小山千恵子は画面に映る二つの原稿を冷ややかな目で見つめた。

そのデザイン画は彼女自身が一筆一筆描いたもので、隣の偽物は、桜井美月がどこから見つけてきた身代わりなのか分からなかった。

出所の怪しいものだけで大衆の目を欺き、デマを流すことができるなんて、小山千恵子は芸能界の深さを改めて認識した。

桜井美月は少し間を置いて、さらに数枚の書類を取り出した。

「こちらがサンダース社の登記情報と、いくつかの取引の詳細です。この会社と小山千恵子との直接的な関係を証明する証拠は一切ありません。社印や署名にも問題があります」