ちょうど最近『新入生』の件で、小山千恵子と渡辺昭の関係が注目を集めている中、数枚の写真があっという間にトレンド入りした。
#小山千恵子渡辺昭パーティーで密会#
トレンドのタイトルは曖昧な表現で、すぐに「急上昇」マークが付いた。
さらに写真のアングルが非常に巧妙で、位置関係によっては二人が親密にキスをしているように見えた。
藤原晴子は自宅で落ち着かない様子で、小山千恵子からの連絡を待っていた。
トップニュースを開いた途端に目が暗くなり、親友の名前がまたトレンド入りしているのを見た。
「渡辺昭は頭がおかしいんじゃない!一流女優たちが列を作ってCPを組みたがってるのに、なんで千恵子に絡むのよ!」
すぐに会場内で騒がしい議論が始まった。
小山千恵子は会場内の様子を警戒しながら確認し、携帯を手に取ると藤原晴子からのメッセージを見た。
藤原晴子:姉さん、用が済んだら早く退散して。またトレンド入りしたわ。
小山千恵子は背筋が凍る思いがした。
やはり、このような場所では、どんなに控えめにしていても無駄だった。
渡辺昭はパーティーの主役で、当然すべての目が彼に向けられていた。
これはプライベートパーティーで、特別な招待状がないと入場できないはずだが、警備もそこまで厳重ではなかった。
そうでなければ、藤原晴子が招待状を手に入れ、小山千恵子を潜り込ませることもできなかっただろう。
小山千恵子はハンドバッグを手に取り、立ち上がり、去り際に一言残した。
「渡辺さん、私は先に失礼します。番組でお会いしましょう。その他のことについては、申し訳ありませんが協力できません。」
芸能界で長年を過ごしてきた渡辺昭は、何が起きたのか当然わかっていた。
携帯を一瞥し、小山千恵子を引き止めようとはしなかった。
今日の目的は既に達成されていた。
大野武志が浅野武樹にやられたのは、利害の衝突があり、把柄を握られていたからだ。
彼のような家柄もない俳優に、浅野武樹が何をできるというのか?
どうせこの芸能界も、彼渡辺昭はもう見切りをつけていた。
前回の生配信以来、桜井美月は浅野武樹に会っていなかった。
そして、あのサザビーズのオークションで浅野武樹が彼女のためにサンダースのウェディングドレスを2000万円で落札して以来、そのドレスを見ていない。