第388章 新しい「婚家」はそんなに凄いの?

寺田通は顔色を変え、目には珍しい凶光を宿し、すぐに立ち上がって藤原晴子の前に立ちはだかり、大野さんの手首を掴んで強く払い返した。

藤原晴子は怒りで笑いが出てきて、胸を上下させながら言った。「なんですって?自分が悪いと分かっていて、言い返せないから、暴力に訴えるつもり?」

小山千恵子も反射的に立ち上がり、傍らの藤原晴子を守った。

彼女は藤原晴子の背中をポンポンと叩いて怒りを鎮めようとしたが、自分の心の中の怒りは急速に膨らんでいった。

理不尽な振る舞いにも限度があるはず。この未遂に終わった平手打ちは、彼女の最後の底線を越えてしまった。

小山千恵子は冷たい視線を大野さんに向け直し、これから言おうとする言葉を考え、損得を計算した。

大野さんは小山千恵子の刃物のような冷たい眼差しに驚き、思わず半歩後ずさりした。