第387章 小山千恵子という女は侮れない

小山千恵子は急いでシルバースターレーシングチームに戻った。入り口では警備員が厳重に各車両と人々の身分証明書をチェックしていた。

彼女は急いでいたため、シルバースターセンターの入館カードを千葉隆弘のオフィスに忘れてしまい、入り口で誰かが迎えに来るのを待つしかなかった。

エントランスホールの受付ロビーに立っていると、気づかないうちに多くの視線が彼女に注がれ、人々は小声で噂し合っていた。

小山千恵子は居心地が悪かったが、どうすることもできなかった。

前回浅野武樹の公開記者会見に出席して以来、彼女自身も分かっていた。帝都の名家やセレブたちの間で話題になっているはずだと。

結局のところ、ビジネスニュースがどんなに衝撃的でも、ゴシップほど人々の興味を引くものはない。

特に、普段は控えめな浅野家からこのような驚くべきスキャンダルが出てきたのだから。