修正後:第51章・新生

古い家屋は百万元で売れるのは、この地域の相場からすると高額だった。望月あかりの家は四十数平米しかなく、この辺りの一般的なマンションでも一平米あたり一万元程度だった。

これほどの価格がつけられたのは、立地条件と望月紀夫の状元(科挙首席合格者)という「バフ」効果、そして学習ノートの付属があったからだ。

望月あかりは望月紀夫に付き添って契約を交わし、双方で早めに引っ越して家を空けることを約束した。望月あかりと望月紀夫は持っていく物を梱包して整理したが、実際には家族写真一枚だけだった。

望月紀夫の服は取り出してみると全て着られないほど古くなっており、家具は一緒に売却し、寝具も古いものだった。国立大学の新入生ハンドブックには持参不要と書かれていた。

望月あかりは結局何も持たせず、家の売却金を持って、望月紀夫はリュックを背負い、二人で一つの荷物を持って横浜市へ戻った。