第82章「証拠」

その書類には望月紀夫の叔父の生涯における全ての出来事が書かれており、若い頃にどの村の未亡人と怪しい関係にあったかまで詳細に記されていた。

何年何月に、望月紀夫の叔父がライバルを「処理」し、庶民を抑圧し、望月紀夫を殴打し、この件で誰にいくら支払い、最後に誰に仲裁を依頼したかまで。

あの望月紀夫暴行事件で彼を助けた者たちの名前は、今では全て汚職ニュースで逮捕者として報じられている。

後ろには望月紀夫の叔父の銀行口座の取引履歴があり、全ての金の行き先、専門家による分析でその金が誰に渡った可能性があるのか、そして彼の叔父の人脈図が蜘蛛の巣のように細かく記されており、重要人物には印が付けられ、基本情報も横に書き添えられていた。

「どうしてこんなものを持っているの?」中の情報があまりにも詳細で、望月あかりは震え上がった。これは...法的な範囲を遥かに超えている。