修正後:第121章・下心

あれこれ考えた末、望月あかりは田中かなたのことを山田進に話さなかった。山田進が田中かなたにお金を返せと言われていることを知ったら、きっと田中かなたを追い出すだろうと思ったからだ。

月曜日、望月あかりはいつもと違って、山田進の服装を選び、髪型を整え、時間通りに送り出して仕事に行かせた。

普段なら彼女が放っておくと、彼は必ず30分くらい手間取るのだった。

望月あかりは成田まことに自分と田中かなたを学校まで送らせた。二人は寮に戻らず、学校を一周した。望月あかりは成田まことが遠くに行ったと見当をつけ、田中かなたを芸術棟に連れて行き、藤原信に連絡して不動産屋に案内してもらった。

田中かなたは深夜に追い出されたものの、出る時に用心して身分証明書を持ち出していた。

二人で不動産屋に会いに行ったが、結果は思わしくなかった。