山田進とお酒を酌み交わし、親戚関係の有無に関係なく、叔父や伯父、叔母たちは皆、望月あかりに厚い祝儀袋を渡し、中には直接彼女の手に重い龍と鳳の腕輪をはめてくれる人もいました。森結衣は望月あかりの後ろについて歩き、先日彼女に贈ったブランドバッグを持ち、望月あかりが受け取った祝儀袋を全てそのバッグに入れていました。
彼女は望月あかりと親密に交流し、時々小声で話しかけ、周りの人々には二人の間に確執がなく、本当の親友同士のように見えました。
しかし望月あかりの反応は比較的冷淡で、森結衣の親密な態度に対して無表情を保ち、二人はまるで令嬢と侍女のような関係に見えました。
昨日の山田進の一言で、結局葉月しずくの代わりに森結衣を選ぶことになりました。
望月あかりは異議を唱えず、質問もせず、静かに葉月しずくに電話をかけて今日のことを謝罪し、相手も度量の狭い人ではなく、今日は両親と一緒に来てくれました。
お酒を酌み交わし終えると、望月あかりは体中のアルコールの匂いと汗が気になり、化粧室に戻ってメイク直しと着替えをしました。
化粧室で、望月あかりは白いドレスを脱ぎ、山田ゆうが用意したピンクのチャイナドレスに着替えました。山田ゆうが用意した全ての衣装は赤に関連していて、これが最も控えめなもので、横には金縁の龍と鳳の刺繍が入った真っ赤なチャイナドレスも掛かっていました。
着替えを終えた望月あかりは外に出るのが面倒で、化粧室で一時の静けさを楽しもうとしていました。
そのとき森結衣が入ってきて、バッグを望月あかりに渡し、中の祝儀袋を見せながら尋ねました。「望月さん、開けて確認してみない?大体の金額を把握しておいた方がいいわ。私も後で報告しやすいし、今すぐ計算してもいいわよ。」
その言い方は焦っているようで、まるで望月あかりが彼女の手元のお金を見張っているかのようでした。
婚約式がまだ終わっていないのに、新婦がお金を数えに化粧室に行くなんて、森結衣は望月あかりが本当にこのバッグの中のお金に手を出せば、必ずこの醜聞を広めようと考えていました。
彼女と親しくなったら、きっと多くの愚かな行動をさせて、永陽グループの嫁として体面を汚し恥をかかせ、そうすれば義理の両親も彼女を庇えなくなるはずだと。
ふん!いずれ追い出される下等な女!