第94章、婚約

婚約パーティーは、派手でありながらも控えめに行われた。

控えめというのはホテルの場所と婚約の場面が豪華ではなかったからだが、派手というのは来賓に権力者が多かったからだ。

山田進と望月あかりは宴会場の入り口で客を迎え、山田お父さんと山田おかあさんは中で長老たちと話をしていた。

入ってくる長老たちは皆、望月あかりを褒め、あかりはただ淡々と微笑んで、二人が金童玉女だという彼らの言葉を聞きながら、心は全く動揺しなかった。

望月紀夫は数人のクラスメイトやルームメイトと一緒に祝いに来ており、木村国吉もその中にいた。男の子たちは長老たちに挨拶を済ませ、一つのテーブルに座った。

「進兄さん、お嫂さん、おめでとうございます」木村平助は今日珍しく真面目な様子で、黒いスーツを着て、髪もきちんと整えていたが、口を開くと本性が露呈した。「進兄さん、今夜は兄弟たちを誘って、酔いつぶれるまで飲みに行きましょう」