第126章・これから

朝、山田進は早起きし、お手伝いさんはすでに戻っていた。

「旦那様、おはようございます」お手伝いさんは挨拶をし、喜びに満ちた表情を隠しきれなかった。

「おはよう。息子は元気?」山田進は珍しくお手伝いさんと雑談をするために座った。

「みんな元気ですよ。今回は彼女も連れて来てくれました。職場の同僚なんです」お手伝いさんは嬉しい出来事で気分が上々で、話し始めると止まらなかった。「私と主人で今年の正月に女性側の実家に行こうと思っています。せめて二人の結婚の話をしたいんです。年が明けたら家を探して結婚させてあげたいと思って」

「それは良かったですね。おめでとうございます」山田進は祝福の言葉を述べた。

お手伝いさんは彼の家で働いており、横浜市では決して低くない収入があり、家を買うのにそれほど負担はなかった。

結婚の話になり、お手伝いさんは手を止めて笑いながら言った。「旦那様、お願いがあるのですが」

「どうぞ」

「実は、以前奥様が付けていた誕生月のブレスレットがとても素敵だと思いまして、奥様に私の息子の嫁にも同じものを注文していただけないでしょうか?代金は私がお支払いします」お手伝いさんは嫁にも良いものをと考え、望月あかりのブレスレットは腕を細く白く見せていたので、嫁にも一つ買って結納の品にしたいと思った。

ただし、望月あかりの持ち物の多くはVIP限定品だったため、お手伝いさんは望月あかりに頼んで注文してもらおうと考えたのだ。

誕生月のブレスレット、山田進には記憶があった。彼が望月あかりに贈ったアクセサリーの多くは限定品で、お手伝いさんが言及したのは以前彼が望月あかりを誤解する原因となったものだろう。

望月あかりが部屋から出てくると、ちょうど田中かなたも出てきた。彼女の顔色はあまり良くなく、望月あかりを見ると無理に微笑みを浮かべた。

望月あかりが尋ねようとしたとき、ダイニングから山田進の声が聞こえてきた。「何かあったの?」

「何でもないよ。お手伝いさんが息子の嫁に結納品を贈りたいって。あなたの誕生月と星座のブレスレットみたいなものを。ちょうど来週木村平助の姉さんも結婚するから、今日ついでに彼女のプレゼントも買ってきて。後でプレゼントの情報を送るから」山田進は豆乳を望月あかりに渡しながら言った。