第113章 罠

翌日、天気が良く、おばさんは朝早くから何人分もの朝食を作った。

田中かなたは少し不安だった。借金の件で望月あかりが気が変わるのではないかと心配していたが、望月あかりは落ち着いて朝食を食べていた。若葉らんは大らかな性格で、望月あかりの人柄を信じていたので全く心配していなかった。葉月しずくは事情を知らず、食事に専念していた。

田中かなたと宮崎翔陽は午後に約束していたので、彼は朝は寝坊をしたかった。

朝食後、若葉らんは帰ると言い、葉月しずくも同じ方向だったので、成田まことが二人を先に送り、戻ってから望月あかりと田中かなたを、彼らが気に入った物件に送ることになった。

「あかりさん、あの...」田中かなたは不安で、みんなが帰った後で具体的な状況を聞きたかった。山田進が貸してくれないと言い出したのだろうか?彼女はもう母親に家を買うことを話してしまっていたので、今更変更はできなかった。