第143章 罪を問う

A4用紙は高画質で印刷されており、山田進は一番上の写真を見ただけで次のページをめくる勇気が出なかった。こんなにたくさんの写真があるとは思わなかった。慌てて説明を始めた。「あかり、聞いてくれ。この女性たちとは何もなかったんだ。これは全部結婚する前のことで、あの時期君が僕を避けていたから、一時的に道を外れて彼女たちと付き合っていただけなんだ。」

「結婚前というと、付き合っていた時期ですね?山田社長の恋愛生活は本当に充実していたんですね。」望月あかりは冷笑した。「セレブやモデルの中から私を選んでくださって、山田夫人の座を勝ち取らせていただき、ありがとうございます。」

山田進は彼女の言葉に返す言葉を失った。望月あかりがこれほど言葉巧みに、心の急所を突くとは思わなかった。

「あかり、信じてくれ。俺が最低なのは分かってる。でも彼女たちと数回出かけただけで、本当に君を裏切るようなことはしていない。」

彼女は知っていた。全てを知っていた。山田進は恐れを感じ、必死に自分の潔白を主張した。

「彼女たちには手を出していない。少しの気があっただけだ!」その中の森はるかの写真は隠されておらず、美しい顔が見えていたが、すでに望月あかりによって汚い色で塗りつぶされていた。

望月あかりはバッグを事務机の上に投げ、机の上にあったレターオープナーを手に取って弄び始めた。レターオープナーの刃はそれほど鋭くなく、先端が尖っているだけで、人を傷つけるほどではなかった。

レターオープナーを持って山田進の傍を通り過ぎ、望月あかりは彼のオフィスにある一枚の絵の前に立った。

「あかり、俺が悪かった...どんな罰でも受ける...」山田進は突然、望月あかりが受け入れられない結論を言い出すのではないかと恐れた。「でも、彼女たちのことは結婚前の話だ。結婚してからは、心の中にはお前一人しかいない。本当にお前を裏切ってはいない。」

不倫の定義はベッドを共にすることだけではない。結婚前のあの時期、彼の度重なる失態、度重なる傷つけは、全て他の女性とのデートに忙しく、望月あかりを危機に見捨てたことに起因していた。