第143章・罪を問う_2

「結果、お前は私に物乞いをさせた。」

……

「物乞いでもしたらどうだ!」

その時、その枯れた木が望月あかりの目の前に現れた。

……

望月紀夫の叔母の件は、物乞いで十万円を返せば解決できる問題ではなかった。彼女は望月紀夫のもう一本の足も折ってやると脅し、この小娘を殺してやると言った。

ただ、後に彼らが実際に国立大学まで望月紀夫を追いかけ、彼を追い詰めて手を出させるとは思わなかった。

彼女も長い間苦しんだが、山のような借金に追われ、悲しむ余裕すらなかった。この絵を描き終えた時、望月あかりは突然悟った。

他人のものに手を出す資格など、彼女にはない。

でも彼は、決してしてはいけないことをした。振り返って彼女に許しを乞うなど。

もし彼らがそのまま終わっていれば、彼女は彼を恨むことはなかった。

山田進の心は喉元まで上がり、言葉が詰まった。

付き合っていた時、彼はこの関係を望月あかりの強欲さを許容していると思い込み、結婚後は望月あかりが恨みを持ち、彼を生活から締め出していると感じていた。

しかし望月あかりの立場になって初めて、彼こそが二人の愛情を消耗させていたことを知った。

あの木は死んだ。金の腕輪に絞め殺されたのだ。

望月あかりは壁からその絵を外した。絵のサイズは大きくなく、彼女は簡単に持ち上げることができた。きれいに手入れされており、額縁の模様にも埃一つない。

「あの時、もしあの十万円をくれていたら、あるいは警察署まで迎えに来て私を守ってくれていたら。私は死ぬまで、あなた一筋だったのに。」

彼女の継母は、彼女の母が命と引き換えに得た家を享受し、彼女には家もなく山田進に傷つけられた。だから「道徳」という言葉は、「恩」ほど重要ではなかった。

「たとえ名も分も与えられず、あなたについていって子供を産むだけでも、私は喜んでした。もちろん今では、あなたが本当に森はるかと寝て、森はるかが私の絵を壊しても、許すわ。」

彼女は一歩一歩山田進に近づき、目に悲しみや苦しみはなく、異常なほど冷静だった。山田進は彼女に追い詰められ、一歩一歩後退した。彼女は髪を振り乱し、まるで女幽霊のように彼に向かって歩いてきた。