第153章 威風

昔のベッドの下は固い板で、ホテルは古風な雰囲気を再現するために、わざとマットレスを入れていなかった。

望月あかりはぐっすり眠れたが、山田進は腰が痛い背中が痛いと眠れないと文句を言い、薄い隈を作っていた。

「こんな状態で、まだ中国風の別荘を買うの?毎日眠れなくなるのが怖くないの?」望月あかりは彼の贅沢な性格を笑った。

「中国風の別荘だからって、こんなに固いベッドを買う必要はないよ。もっと柔らかいのを買えばいい」山田進は拳を握り、ベッドボードをガンガン叩いた。

「とにかくこの固い板のベッドには耐えられない。もう少し寝たら腰が壊れちゃう」

二人は簡単に身支度を整え、家に帰って着替えてから、永陽に向かった。

望月あかりは本来行くつもりはなかったが、山田進は昨日彼女に言われた後、完全に自由奔放になり、ゴネてでも彼女を連れて行こうとした。

森結衣と若葉いわおが連行された後、若葉いわおのポジションは空席のまま、誰も引き継いでいなかったので、森はるかの後任は山田進が一時的に代理を務めることになった。

山田進が代理を務めると言っても、実際は望月あかりが代理を務めていた。彼女は今会議室に座っており、上座には山田進、下座には職員が適任だと思う候補者を一人一人紹介し、その人物の潜在的な価値を分析していた。

望月あかりは芸能人に興味がなく、報告を聞いているうちにほとんど眠りそうになった。マルクス主義の授業でさえこんなに退屈ではなかった。

昨日二つの名前を言うべきだった。そうすれば今日このような報告会を聞く必要はなかった。製品計画も全く知らないのに、どうやって人選ができるだろうか?

報告を聞き終わった後、山田進は望月あかりに尋ねた:「どう?気に入った人はいる?」

望月あかりは無表情で資料をめくっていた。中には多くの人気芸能人の個人資料や生活写真などがあり、まるで本気で二度も確認したかのように見せかけた。下の人々は皆、望月あかりの答えを戦々恐々と待っていた。

「信弘って誰?」望月あかりはある名前を思い出して尋ねた。

職員はすぐに理解し、急いでその人物の資料を表示させた。LEDスクリーンには幼い顔立ちの男性芸能人が映し出された。